四国へ去った桜井長者の屋敷跡
どんな伝承か
昔、森に桜井という長者が暮らしていた。娘に先立たれてからは嘆き悲しむばかりで、ついには家を取り壊し、たくさんの金を携えて四国へ旅立ったまま、その後どうなったのか誰にもわからなくなったという。屋敷の跡は東西三百メートル、南北二百メートル余りの畑となって残る。長者の墓所とされるあたりには松の大木があり、美女松と呼ばれていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。