亡き娘が生まれ変わった子育て地蔵
どんな伝承か
昔、仲の良い夫婦がいた。夫は働き者、妻も心優しかったが子に恵まれず、家の近くの石の地蔵に子を授けてほしいと一日も欠かさず参った。長い年月の末、ようやく女の子が生まれ、夫婦はたいそう可愛がったが、娘は三つの年に村ではやった病で亡くなった。悲しみに暮れたある夜、かつて参り続けた地蔵のもとへ行くと、石の地蔵から光が差し、娘はこの地蔵に生まれ変わったから娘と思って育てよという仏の声が聞こえた。夫婦は明るさを取り戻し、地蔵を娘のように世話したという。その地蔵は和の東上田にある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第1巻 3 (東信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第1巻(三)東信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち東信地方の伝説と世間話を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などの伝えを、条ごとに採集地を添えて収める。双子池や白駒の池の主、望月の駒、甲賀三郎、ごまを作らない村々の禁忌、京の岩・宮下・菱野村の七不思議など、佐久・小県の土地の伝えが並ぶ。