孫の耳を治したきかずどうろく神
どんな伝承か
長久保宿の町はずれに「どうろくじんさま」と呼ばれる道祖神がある。町の入口で魔物や疫病を防ぐ神とされ、二月八日に祭りが行われる。ある日、孫の耳が聞こえないと悩む老人が村人に勧められ、雪の日も風の日も欠かさずこの神に参った。千日近くになった晴れた日、帰りがけに南の空がにわかに曇り、稲妻と雷鳴に二人は倒れ込んだ。老人が孫を抱き起こすと、孫は雷が怖いとしがみついてきた。耳が聞こえるようになったのである。老人は家宝の椀の底に穴をあけ、ひもを通して奉納した。これが評判となり、耳の病に効く神として「きかずどうろくじん」と呼ばれるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第1巻 3 (東信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第1巻(三)東信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち東信地方の伝説と世間話を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などの伝えを、条ごとに採集地を添えて収める。双子池や白駒の池の主、望月の駒、甲賀三郎、ごまを作らない村々の禁忌、京の岩・宮下・菱野村の七不思議など、佐久・小県の土地の伝えが並ぶ。