故郷の吾妻へ枝を伸ばす松
どんな伝承か
諏訪明神はかつて金井の北の外れ、諏訪ノ森にまつられていた。いつのころか吾妻川が氾濫して森も荒れたが、その際に上流の吾妻から松が一本流れてきて土手に根づき、大きく育った。不思議なことにこの松は幹も枝も西へ傾き、吾妻の方角へ長く枝を伸ばしている。人々は松の霊が生まれ故郷をしのんでいるのだと言い合い、いつしか望郷の松と呼ぶようになった。諏訪明神は今は八坂神社に合わせてまつられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 第4巻 (民俗編)
『渋川市誌 第4巻(民俗編)』の伝説と昔話の冒頭を抜き出したものである。群馬県渋川市の飛び湯と午年の貝水、千が窪の蛇、弘法様の清水、渋川八名石・有馬五石などの石の伝え、祖母島のあずきとぎ、五居が島、二位寺山、歯黒稲荷などを、伝承の大字を添えて収める。利根川と吾妻川の合う町の、石と水と塚にまつわる伝えが中心である。