三匹の狸を倒した伊那の早太郎
どんな伝承か
上松町の上町では、伊那の寺の縁の下で山犬が子を産み、礼に一匹を置いていったと語る。和尚はそれを早太郎と名づけて育てた。近くの村の天神では毎年の祭りに娘を一人差し出す習わしがあり、ある年、箱に入れた娘を宮に置いた。木の上から見張っていると、三人の男が現れ、伊那の早太郎が来ないから大丈夫だと言って娘を連れ去った。神主は早太郎を探し当てて退治を頼み、次の祭りに娘を取りに来た化け物へ犬が食らいつくと、それは三匹の狸だった。三匹をかみ殺した早太郎も死に、村人らは犬を寺へ運んで祀ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第5巻 総説 1 (概説)
『長野県史 民俗編 第5巻 総説1(概説)』のことばと伝承の章から、伝説の節を抜き出したものである。長野県全体の伝説を、デーラボッチャ・小泉小太郎・甲賀三郎・黒姫・八面大王・鬼女紅葉・ものぐさ太郎・弘法大師・白米城・早太郎・猫檀家・かっぱ・逆さ木・池の主・人柱・首塚などの題ごとにまとめ、本話のあとに県内各地の類話を地名つきで並べる。県史の地域編と重なる話も多い。