鐘を頼りに通った犬の犬塚
どんな伝承か
むかし加茂から伊丹へ通い、朝夕に食べ物をもらっていた犬がいた。伊丹にいるときは寺畑村の昼の鐘を聞いて帰り、伊丹村の明け方の鐘を聞くと伊丹へ出かけた。あるとき伊丹の鐘が聞こえず、行くことも帰ることもできないまま道で死んでしまった。土地の人が哀れんで亡骸を埋め、犬塚と呼んだという。
原典より
古へ淨印寺の住僧、那須の一件を鎌倉に注進するのに白犬に書狀を持たせてやると、一夜にして歸り來り、高岡といふ所でだれて死んだ。—— 日本伝説名彙2 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙2
柳田國男監修『日本伝説名彙』の後半にあたる部分で、全国の伝説を地物の種類ごとに分けて集めた名彙である。塚の部(糠塚・七人塚・首塚・十三塚など)、坂・峠・山の部、谷・洞の部、屋敷・城趾の部(長者屋敷・朝日長者・白米城など)、祠堂の部(地蔵・薬師・観音・天神・八幡・稲荷・宮など)の各題の下に、府県・郡・村の所在地を頭に置いて各地の伝えを短く並べ、多くの条に出典の郡誌・伝説集の名を添える。