地蔵院を恋しがって泣く流れた鐘
どんな伝承か
大久保領家にはかつて地蔵院という寺があり、大ケヤキで知られる日枝神社の近くに建っていたといわれる。ある年の洪水で、この寺の鐘が入間川(今の荒川)を流され、やがて笹目の最勝寺の池の中から姿を現したという。川を下るあいだ、鐘はうなり声をあげていたと伝わる。鐘は今は戸田市美女木の八幡神社に掛かっているが、撞くと「領家の地蔵院恋しや」と泣くといい、また撞けば大水が出るともいわれる。
原典より
川の中を流れる時は、うなって流れていったといい、現在、戸田市美女木の八幡神社にかけられているが、この鐘をつくと「領家の地蔵院恋しや」と泣くといわれる。—— 浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史)
『浦和市史 民俗編――伝説』は、浦和市史の民俗編のうち、第十章「伝説」を収めた部分である。調神社の片目の鯉や兎を飼わない言い伝え、日蓮上人の駒つなぎのケヤキ、見沼の竜神や笛、別所沼の大蛇、地名や塚の由来、特定の作物や弓矢を忌む家の言い伝えなど、市内に伝わる伝説を集める。旧市部から西浦和まで地区別に節を立て、見沼の伝説は一節にまとめ、章の初めに『埼玉県伝説集成』などの引用文献を掲げ、話のあとに▽印で異説や由来を補う。