髪を羨んで本堂を走る娘幽霊
どんな伝承か
伊達郡桑折町西町の豆腐屋の娘が、十七になる正月、友達の家で酒を馳走され酔って帰り、そのまま炬燵で寝入った。着物の裾に火がつき、驚いて飛び起きたときには半身が火に包まれていた。池に飛び込んだ娘は水火の責めを受けて大病人となる。見舞いに来た友の美しく結った日本髪を羨みながら、娘は息を引き取った。その日、桑折寺の梵妻のもとへ髪を結った娘が上がり込んで丁寧に挨拶をし、茶を運ぶ間に姿を消した。翌日埋葬されたその夜から、娘は友の元結を切っては本堂を走り回り、住職と小僧の読経が七夜続いてようやく現れなくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。