特攻基地跡の宿舎を悩ませた霊
どんな伝承か
昭和三六年一二月のある日、福岡県築上郡椎田町の航空自衛隊築城基地(元海軍航空隊の特攻基地)で、新任の整備主任石田二佐が主任室で仮眠していると、水兵服の男が夢に現れ「わたしはプロペラにはねられて死んだものだ」と語り出した。その間、胸を押さえつけられて動けなかったという。調べると確かにこの基地で死んだ男女がいた。以後、パイロット宿舎や指揮塔など六か所で幽霊の報告が続き、監査に来た監査官までが同じ目に遭ったので、司令は殉難者の慰霊祭を営んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。