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日光奉行の庭で起き直った二本の大木

所在地栃木県日光市
年代伝承(口承)
登場天野丹後守、大木が起き直った屋敷の主の日光奉行
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

享保二年八月十六日の大風雨で、日光奉行天野丹後守の屋敷の庭で、一抱えあまりの大木が二本、庭先へ倒れかかった。杭をかって鉄でつなぎ、枝も切り詰めて支えておいたが、翌年の秋、丹後守が初めて江戸から赴任することになり、起こすには費用がかかるから伐り捨てるのがよかろうと言われていた。ところが九月三日(十一日ともいう)の夜、二本の大木はひとりでに起き直って元の姿に戻り、つないだ鉄をそのまま付けたまま立ち直っていたので、人々は不思議に打たれた。これは丹後守自身が語った話だという。

原典より

スット九月三日(或は十一日とも云ふ)の夜、彼の二本の大木が自然に起き直て元の如くになったが、彼のつなぎの鐵を其まゝ連れて直ったから人々が奇異の感に打たれた—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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