トップ > 大分県の伝承 > 日出町

夢に現れて主を地震から救った杖

所在地大分県速見郡日出町大字豊岡
年代伝承(口承)
登場山田物外、杖の精に救われた隠士
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

正徳年中、豊後国豊岡の城外に住む隠士山田物外は、曲がった竹の杖を愛用し、どこへ行くにも手放さなかった。ある日、供を一人連れて三里ほど離れた寺を訪ね、泊まった夜に夢を見た。道に迷った主従の前に背の高い若い男が現れ、自分はいつもあなたのそばを離れない者だと言って先に立ち、そばの崖が崩れて下で牛が押しつぶされて死んでいる、という夢だった。翌日の帰り道に迷ったので、杖を立てて倒れた方へ進むと、にわかに大地震が起こって今来た道が崩れ、夢と同じ所で牛が土砂に打たれて死んでいた。帰ると家も近所もみな倒れていたので、杖に救われたと知り、袋と箱をあつらえて納め、子孫は今も神のように敬っているという。

原典より

かくて暫く歩いてゐると俄然大地震が掘り出して、見る間に今しかた来た道が崩潰したので—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

種別から探す

地震夢告

日出町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』の伝承