トップ > 山梨県の伝承 > 北杜市

御嶽山上に取り寄せられた印つきの梨

所在地山梨県北杜市須玉町小倉
年代明治
登場百瀬今朝松、丸茂敦、伊藤清民、体験者、伝承者、御嶽教先達・奇蹟を演じた人物、奇蹟の実演場所提供者、郵便局長・目撃者
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

山梨県北巨摩郡の御嶽教の先達百瀬今朝松は、御嶽の神に仕える天狗が憑いたとき、多麻村中小倉の丸茂敦方で、一喝して真冬の御嶽山の万年草を雪のついたまま手に取り寄せてみせた。郵便局長の伊藤清民がこれを強くけなしたので、明治四十二年の御嶽参りで確かめることになった。出発翌日、局員が局印を押した梨を局長宅の神棚に供えておくと、二十九日の昼、山上の岩の前で神憑りになった百瀬の手にその梨が現れ、伊藤は自分が命じた梨に違いないと驚いて熱心な敬神家になったという。

原典より

百瀬は忽ち右手を高く差上げたが、既に早くも、一個の梨が掌に添ふて現はれると、百瀬は夫を慥かりと掴んで聲高く伊藤と呼び「之に見覚えがあらう」と叫んで手渡した。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

種別から探す

霊怪談

北杜市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』の伝承