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古峰ヶ原の参籠で見た天狗の角力

所在地栃木県鹿沼市草久(古峰ヶ原)
年代明治
登場定助、体験者、伝承者、参籠した屋根葺職・体験者
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

明治三十年ごろ、岩代の檜枝岐村で屋根葺きを生業とする定助が、友人と連れ立って古峰ヶ原の神祠へ参った。二、三時間の籠りを終えて寝間に下がると、広前のほうから人の組み合うような物音が聞こえてくる。障子の穴に目を当てると、背の高い見知らぬ者が七、八人、定助の好きな角力を取っていた。夢中で一時間ほども覗き込み、勝負が果ててからようやく眠りに落ちる。翌朝は寝過ごし、日光へ向かう山道で語り合ううち、連れが見ていたのは角力ではなく撃剣だったと分かった。二人はそれぞれの好むものを天狗が馳走に演じてみせたのだと得心したという。

原典より

日光の東南山續きの古峰ヶ原の神祠は、古来行者輩の参籠修行の霊場で、現代にも天狗に關する事実があつて有名である。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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