夢で告げて父の写真に写った娘
どんな伝承か
大正九年のこと、日光線の鹿沼駅から一里ほど離れた集落に住む山本道太郎の娘が、流行性感冒で亡くなった。まもなく道太郎の夢に娘が現れ、お父さんが写真を撮ってくれれば私も一緒に写るから、それをお母さんに見せてあげてほしいと頼んだ。そこで道太郎が翌日鹿沼の町の写真屋へ出向いて写してもらうと、言葉のとおり亡くなった娘の姿がその写真に写っていたという。
原典より
* 写真に映った登山姿 (350)* 御嶽登山の記念写真 (351)* 鏡に映る女の顔 (352)* 堀切橋の怪異 (355)* 室の中を歩く石 (357)* 本所の怨念石 (359)* 墓石…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))
『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。