事例11:二月八日を小マナク、十二月八
どんな伝承か
栃木県鹿沼市では、二月八日を小マナク、十二月八日を大マナクと呼ぶ。この日には大小の籠を八日の風にあてるといって門に伏せ、籠には豆腐・ねぎ・唐辛子を刺すか、大麻の茎に赤唐辛子とねぎの白根を刺して出口に供えた。洗濯物はすべて家に入れ、臭いものを囲炉裏で燃やして厄病除けとした。「一つ目玉のダンジロウが来るから外へ出るな」といわれ、粳米の団子を食べる習わしもあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))
『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に著した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と各地の採訪記録の事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、五章は書き下ろしで、章ごとに注を付す。