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亀崎沖で網船を沈める柄杓の亡者

所在地愛知県半田市亀崎
登場—
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

亀崎の沖では十月中旬から鰯が獲れ、その頃になると浜は賑わい、朝夕二度の網引きが行われる。ただし旧暦の三日と四日には決して網を引かない。この両日に鰯網を引くと、引き上げようとした途端、海の中から真裸の男が大勢、手に手に柄杓を持って浮かび上がり、網船めがけてふわりふわりとやって来る。見る間に船を取り巻き、悲しいとも恨めしいとも言えぬ声で「えいやえいや」と歌いながら水を汲んで舟へ入れ、瞬く間に船を沈めてしまう。そして「さあ来い」と言い残して水中へ消える。この沖合で沈んだ者が友を誘いに来るのだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))

『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。

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