夢に来迎し病を癒やした小地蔵尊
どんな伝承か
昭和二年五月、小山の善光寺境内から発掘された小さな地蔵尊を、拝受した者が翌昭和三年五月に自宅へ勧請した。ところが昭和四年、その人はたまたま重い病にかかり、既に死期が近づいていた。すると夢の中にこの地蔵尊が諸仏とともに現れて来迎したが、「未だ娑婆の縁尽きず」と告げて去っていった。夢から覚めると病はたちまち平癒したという。この霊験を記した碑文は、西国三十三所観音霊場第五番札所・葛井寺の西門を入った左側の墓地に建立されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。