義母の死とともに枯れたザクロの老木
どんな伝承か
昭和五十七年二月から三月頃、浜松市で同居する義母が医者から余命わずかと告げられた。義母はそのとき「きれいな花園に行った」と語った。その後、自宅の桃の花は例年になく咲き乱れ、芯が枯れて皮だけで生きていた老木のザクロも二メートル足らずの木に二百三十ほどの花をつけた。最後の花が散った七月二十五日、義母は息を引き取り、そのザクロも枯れてしまった。この年に限りオシロイ花は白ばかりが咲き、ピンクのバラまで白く変わったという。回答者は金田静雄。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。