氏神に祈って勝てなかった尾崎村
どんな伝承か
高知県室戸市佐喜浜町尾崎の話。昭和十一年の六月か七月に、尾崎村の人々は氏神さまに戦勝の祈願をした。その時、宮守りをしていた人が、今度の戦争は今までになく大きいから神々も戦いに行くとのお告げがあった、と言っていた。ところが戦いに行く神々は村々の荒神さまなのに、荒神さまに祈願祭りをせず、平和の神々である氏神さまに祈願したから、勝利にむすびつかなかったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)
『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。