くるまでまめだと占われた応召
どんな伝承か
昭和十二年八月の話。応召の前日、太平山の三吉神社へお参りに行こうと、小雨の中を自転車を飛ばして行った。ところが兵隊の車の鉄の輪にはさまって怪我をし、血豆を作ってしまった。縁起が悪いと八卦置きに見てもらうと、おめでたい、絶対生きて帰ると言われた。車にはさまって血豆を作ったのだから「くるまでまめだ」ということだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)
『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。