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二十六歳で男に変じた天草の娘

所在地熊本県天草市有明町大浦
年代伝承(口承)
登場やな、嘉左衛門、喜之助、男に変じた大浦村の娘、やなの父、女に変じたと語られた大和田村の者
出典耳嚢(みみぶくろ)

どんな伝承か

文化三年の夏、天草郡大浦村の嘉左衛門の娘やなが、二十六歳で男になったという話が城中の雑談に上り、世間でも噂になった。生まれつき陰部の肉の形が人と違っていたが、年を追って突き出し、今ではまったく男と変わらないという。気性はたいそう穏やかで女らしさも残っていたが、毛も生え、胸も男のようになったという。それを聞いて、例の留守居の廻状か京童の戯言だろうと笑う者がいた。すると居合わせた金沢某が、そういうこともないとは言えない、下総国印旛郡大和田村の喜之助という者は二十歳のとき男から女に変わったと話した。

原典より

文化三寅年の夏、肥前国天草郡大浦村嘉左衛門娘やなといへるもの、廿六才にて男子に成りし由。—— 耳嚢(みみぶくろ)(根岸鎮衛・江戸随筆・怪異・1809年(文化6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

耳嚢(みみぶくろ)(根岸鎮衛・江戸随筆・怪異・1809年(文化6年))

『耳嚢(みみぶくろ)』は、根岸鎮衛(守信)が勤めの合間に古老や訪ねて来た人から聞いた話を書き留め、佐渡在勤のころからまとめ直して文化六年仲秋に結びを付した随筆である。武家・町人の逸話や奇談に加え、狐・狸・幽霊・妖獣などの怪異、羽蟻や虫歯・ものもらいを治めるまじない、薬の秘法を、一項ずつ題を掲げて記す。この本文は著者の自叙と巻之一から巻之十まで(巻之四を欠く)の抜粋で、巻末に著者の結びと『耳嚢副言』の一部を置く。

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