教祖が切って渡した変生男子のいき毛
どんな伝承か
教祖出口直が浅野和三郎に述べた言葉のうち、彼の耳に残ったものがある。艮の金神は人民を助けたい善一筋の神だが曲ったことは大変嫌う、大本は結構な所の恐い所です、というものだった。また、あなたは今日自分の勝手で綾部へ参ったつもりでも、実は神から引き寄せられたのだ、神が綱を掛けたのだ、とも言われた。浅野が辞去しようと立つと、教祖はしばし止め、火鉢の抽斗から鋏を出して自分の銀髪を百本ばかり切り、丁寧に白紙に包んだ。そして神前の小机で何か認め、「変生男子のいき毛であるぞよ」と神諭流の平仮名で書いた紙を添えて渡したという。
原典より
私はそれを受取って認めてある文字を見ると、例の神諭流の平仮名で、「変生男子のいき毛であるぞよ」と書かれてあった。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。