ノックの主に問うと決めた職員会
どんな伝承か
はじめのうち、周囲は三人の教師の話を冗談として聞いていた。しかしあまりに真面目な様子と、Cの真っ青な顔色とに動かされ、しだいに興味の加わった恐怖を感じるようになった。その話があってからは、恐ろしがって宿直室へ入らない者も出た。噂は噂を生んで町中に広がり、物好きな者がわざわざ宿直室を見に来るようにさえなった。そのままにしておけないというので職員会が開かれ、不思議なノックの主がいったい何者なのかを、問答によって確かめることに決まった。
原典より
始めの内は三人の……師の話……、……の……は冗談に聞いてゐたが餘り其の真面目であるの……、Cの真青な顔色とに動かされ、……々興味の加はつた恐怖を感ずるやうになつた。—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))
『幽霊は語る』は、梶天真が昭和十三年に編んだ幽霊譚と幽霊論の集成である。葬送の習俗や海外の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜の作用による幽霊の説明、乃木大将や許斐大尉の見た幽霊などの実話、古典や伝説に現れる男女の幽霊・怨霊・生霊、幽霊写真、化物屋敷、霊界通信を集める。三篇に分かれ、第二篇は幽霊を男女・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・食物に縁ある幽霊・前知らせなど八項に分類し、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。