アブになって飛び歩いた魂
どんな伝承か
祖母島の話。二人で山仕事をしていた合間に、そろって横になって眠った。先に目を覚ました一人がふと見ると、隣で寝ている連れの顔の上をアブが飛んでいる。そのアブはやがてどこかへ飛び去った。しばらくして戻ってくると、連れも目を覚まし、こういう所へ行ってきたと言って、見てきたことを話しはじめた。眠っている間に、その人の魂がアブの姿になって飛び歩いていたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ)
『渋川市誌 民俗編』は、渋川市の市誌民俗編のうち、第六章「民俗信仰」の第一節から第五節の初めまでを収めたものである。人魂・幽霊・ロクロッ首・生まれかわり・死神などの霊魂の話、手をつけてはいけない聖地や耕すと祟る忌地、オサキ使いや狐つき、神かくし、若宮八幡などのたたり、イチッコと呼ばれる巫女や祈禱師、東向き鳥居参りなどの祈願を、市内の大字ごとの聞き書きで記す。はじめにで章全体を解説し、続く節では話に見出しと採集地の大字を添える。