東京から屋敷へ帰った青い人魂
どんな伝承か
四十年あまり前の行幸田での出来事。語り手が家の前の道で子どもといたところ、直径二十センチほどの玉が、一メートルばかりの青い炎の尾を引いて、隠居の屋敷に落ちた。子どもは怖がってしがみついてきた。この隠居はもともと屋敷を売り払って東京へ出て行った人である。翌日、東京から隠居が亡くなったという知らせが届いた。東京で息を引き取った人の霊が、人魂となってかつて住んでいた家へ帰ってきたのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ)
『渋川市誌 民俗編』は、渋川市の市誌民俗編のうち、第六章「民俗信仰」の第一節から第五節の初めまでを収めたものである。人魂・幽霊・ロクロッ首・生まれかわり・死神などの霊魂の話、手をつけてはいけない聖地や耕すと祟る忌地、オサキ使いや狐つき、神かくし、若宮八幡などのたたり、イチッコと呼ばれる巫女や祈禱師、東向き鳥居参りなどの祈願を、市内の大字ごとの聞き書きで記す。はじめにで章全体を解説し、続く節では話に見出しと採集地の大字を添える。