第六天の天狗にさらわれた小僧
どんな伝承か
青柳の第六天のあたりは、かつて大きな松や杉、ケヤキが茂って昼でも薄暗く、天狗が住むといわれて人が近寄らなかった。ある雨の日、はけ下に住む小僧が用事で通りかかったまま行方知れずになった。村は大騒ぎになり方々を捜したが見つからない。何日か経った、やはり雨の日に小僧はふらりと帰ってきた。何があったのか尋ねても何もわからないという。よく見ると着物が少しも濡れていなかったので、人々は第六天の天狗の仕業に違いないと言い合った。
原典より
昔、青柳の第六天あたりは大きな松や杉・ケヤキが生い茂り、昼でもうす暗いところで、天狗が住んでいるといわれ、あまり人も近づかなかった。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当))
『狭山市史 民俗編』は、狭山市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその「五 伝説・昔話・世間話」の部分が収められている。堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で古老の座談会と個別の聞き取りによって集めた話を、話者の地区・名・生年を添えて載せ、不老川や堀兼の井、影隠地蔵、キツネ、豪商綿貫家の話などを含む。伝説は水・動物・植物・地名・人物・塚・神仏・地蔵・妖怪変化など十項に分け、話ごとに[解説]を付す。