天狗と少女・太田村の娘(北越奇談)
どんな伝承か
寛政年間、蒲原郡太田村の農家の娘が燕町の祭見物に出かけ、連れとはぐれて人込みを捜すうち、赤い顔の坊さんと出会った。娘が心の中で何か食べたい、欲しいと思うと、坊さんは茶店で好きなものを食べさせ、かんざしでも何でも買ってくれたが、代金を払わなくても売り手は少しも気にとめなかった。帰宅してからも欲しいものが飛んで来るようになり、家人が問いただそうとすると家が鳴り動き、家財道具が飛んだ。娘に丁重に詫びると元に戻る。この騒ぎは一か月ほど続き、その後いつとはなしに止んだ。天狗の仕業と評判されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年))
『お化けと幽霊』は、大高興が昭和五十三年に青森市の北の街社から出した、お化けと幽霊と心霊現象の解説書である。仮死からの蘇生の話や霊魂論に始まり、青森県内で撮られた心霊写真の実例、こっくりさんなどの霊界通信法、天狗・寝太り・鎌鼬などに出会った話、幽霊の存在説と否定説・分類・人相学、人魂までを扱う。問答の形でお化けを語る節や観察と記録の手引きを交え、巻末に五十音順の心霊用語集を付す。