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阿波・天狗に書道武芸を習った白痴

所在地徳島県美馬市阿波国美馬郡定光村
年代明治10年前後
登場生来白痴同様の男
出典變態心理と犯罪

どんな伝承か

井上円了の『妖怪学講義』にある話。阿波国美馬郡定光村に、生まれつき白痴同様の者が住んでいた。ある日ふらりと出たまま姿を隠したが、日数を経て帰ってきて、自分は天狗のもとに遊んで書道および武芸の技を学んできたと言った。それから日夜を選ばず庭前の立木に向かって撃剣を試みるとなかなか上達し、日々書字を試みるとこれもまた大いに熟練した。名声が四方に聞こえ、ついに徳島藩主に召されて撃剣の師範となった。友人が妻帯を勧めると、天狗が固く禁じたと言って断り続けたが、再三勧説されてついに妻を迎えた。すると同時に書道も武芸もたちまち衰え、再び以前の白痴同様に戻ってしまったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

變態心理と犯罪(中村古峽)

『變態心理と犯罪』は、中村古峽が著した変態心理学の論集である。二重人格、夢遊病、狐憑きや神隠し、催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教などの神憑りや心霊術を迷信として論じ、迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収める。著者自身の被験者や大本教訪問の見聞を例に引き、変態心理の解説から催眠術、宗教批判、犯罪の実話へと進む順に並べる。

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