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二十年間の神匿し

所在地滋賀県近江八幡市
年代19世紀〜大正
登場松前屋市兵衛、根岸鎮衛、体験者、記録者(随筆『耳袋』著者)
出典變態心理と犯罪

どんな伝承か

江州八幡町(近江八幡市)の商人松前屋市兵衛は、妻を迎えて間もないある夜、厠に行ったまま姿を消した。下女は灯りを持って外で待ったが応答がなく、戸を開けても人影はなかった。家中総出で捜索したが行方知れず、妻は他家から婿を迎えて家を継がせ、市兵衛の命日として弔った。それから二十年ほど経ったある日、厠の中で人の呼ぶ声がし、行ってみると二十年前と同じ衣服姿の市兵衛が座っていた。空腹を訴えるので食べさせると、衣服が塵のように崩れ落ちて裸になった。家人が衣類を着せ薬を与えて介抱したが、二十年間の記憶は何一つなかったという。根岸守信の随筆『耳袋』に記された話である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

變態心理と犯罪(中村古峽)

『變態心理と犯罪』は、中村古峽が著した変態心理学の論集である。二重人格、夢遊病、狐憑きや神隠し、催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教などの神憑りや心霊術を迷信として論じ、迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収める。著者自身の被験者や大本教訪問の見聞を例に引き、変態心理の解説から催眠術、宗教批判、犯罪の実話へと進む順に並べる。

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