野口英世記念館で仙人と見られた男
どんな伝承か
一九七五年二月、千葉に本拠を置く日本超能力研究会から、東京での会合の案内が届いた。主宰者の中岡俊哉が二か月ほどかけてソ連やチェコなど九か国の超心理学の研究状況を視察してきた報告会である。三月九日、会場の野口英世記念館へ早く着きすぎた著者は、同じく早く来た青年と二階の食堂でお茶を飲むことになった。青年は仕事は何かと不躾に尋ね、血色がよいと言い、やがてまるで仙人のようだと言い出した。血色と頭髪、耳の穴の毛の具合が仙人の特徴だという。著者は理髪店に行かず自分で切っていること、耳の毛を放ってあることを説明する羽目になった。
原典より
H 奇跡的治癒I 変身J 共産圏内の超心理学K 「つきもの持ち迷信の歴史的考察」についてL 繰返す対決二 群像A あるときの土井晩翠B ある人の卒業論文—— 霊の世界 ― 小品集(田中千代松・心霊研究文庫III・1978年(昭和53年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊の世界 ― 小品集(田中千代松・心霊研究文庫III・1978年(昭和53年))
『霊の世界――小品集』は、田中千代松が心霊研究について新聞・雑誌に書いた随筆や小論を集め、一九七八年に心霊研究文庫の第三冊としてまとめた本である。心霊研究協会(SPR)の成り立ちや催眠術・超心理学の来歴、クルックスやフラマリオンらの研究を論じる文章のほか、土井晩翠や福来博士の心霊体験、平田篤胤が記した仙童寅吉、秋山真之の霊夢などの話を収める。「エッセイ種々」「群像」「ものがたり回顧」の三部に分け、各篇に初出誌を記す。