トップ神奈川県の伝承平塚市

土地を奪われ困窮した真土村民の使者二人が

所在地神奈川県平塚市四之宮八幡
年代明治11年
登場大工、伊東音五郎、真土村の農夫佐治兵衛と所左衛門、伊藤佐治兵衛、形上所左衛門、真土村の農夫
出典奇談全集 現代篇

どんな伝承か

八幡の棟梁と呼ばれるのは伊東音五郎という大工で、真土村と地続きの四之宮村の八幡に住んでいた。前夜仲間と平塚の恵比寿屋で遊び、明け方に帰って寝不足で苦しかったが、弟子の手前もあってやっと起き、障子や襖の骨を造っていた。十時近く煙草の休みをしているところへ、真土村の伊藤佐治兵衛と形上所左衛門という二人の農夫がのっそり入って来た。内密の話だというので裏口の野菜畑と竹藪の間まで出ると、佐治兵衛は沈痛な声で「貴君の男を見込んで頼みたいことがある」と切り出した。音五郎は松木長右衛門と村方の差し迫った紛争を思い出し、強い圧迫を感じた。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集・大正~昭和初期(推定))

本書『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎による幕末から昭和初期にかけての日本各地の怪談・奇談を集成した作品である。明治維新期の松木事件から関東の連続殺人鬼事件まで、実地取材に基づく歴史的事件の記録と、民間に伝わる幽霊譚・怪異現象が混在している。特徴は、単なる怪談の創作ではなく、実在の地名・人物・事件を背景に、社会的矛盾や人間の怨恨が生み出す超自然現象を描く点にある。

種別から探す

明治木砲農民一揆実話

平塚市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『奇談全集 現代篇』の伝承