蓮池城の麓で討手を迎えた勝賀野次郎兵衛
どんな伝承か
天正十六年十月十四日、長宗我部元親は世嗣ぎ問題を諫めた吉良親実らに死を命じ、比江山親興ら家臣八人が次々に成敗された。蓮池城の東南の麓に住む勝賀野次郎兵衛のもとには土居肥前勝行が討手として送られ、道中で加わった北代市右衛門ら四人とともに次郎兵衛の屋敷へ向かった。次郎兵衛は名刀二振りを見せて挑発したが、やがて背後から両足を斬られて倒れ、最後は脇差を手裏剣のように投げて相手を貫いて討たれたという。その墓は畑の中にあり、村人は『しょうがさま』と呼んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年))
『日本の怪談』は、田中貢太郎の怪談を昭和四十五年桃源社刊『日本怪談全集』から抜き出した文庫本で、昭和六十年十二月に河出書房新社から発行された。「宝蔵の短刀」「八人みさきの話」など土佐の城下や村の話をはじめ、江戸・京・吉野などを舞台にした幽霊・狐狸・猿・魔物の話を、会話の多い語り口で収める。二十七篇の後に尾崎秀樹の解説を付し、高知に生まれた作者の生涯と怪談・妖異譚への傾倒をたどっている。