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京大病院から芦屋へ帰った娘の霊

所在地兵庫県芦屋市
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本怪談実話

どんな伝承か

昭和九年の秋ごろ、京都で流しの自動車が帝大附属病院の前を通りかかると、女学生のような美しい娘が出てきて芦屋までと言って乗った。芦屋に着くと娘は御影石の門に前田と表札のある家の前で降り、車代を家でもらってくるから待っていてと中へ入ったが、いつまでも出てこない。運転手が玄関で請求すると、女中はそんな方は来ていないと言う。出てきた肥えた奥さんが娘の風体を尋ね、桔梗のような花柄の長い袖の着物だったと聞くと、おびえた顔で言われるままに払ってくれた。数日後に同僚に聞くと、前田家の一人娘は肺病で京大病院に入院しており、運転手が乗せたその日に亡くなっていた。運転手はまもなく発狂したという。

原典より

* 月に狂う (381)* 天長節の式場 (393)* 壁の中の女の顔 (394)* 前妻の怪異 (397)* 血みどろの男の顔 (400)* 投石怪談 (404)* 杖を置いた音 (407)…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

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