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知行所へ赤子を抱いて現れた産褥の夫人

所在地茨城県神栖市
年代明治〜昭和
登場不明
出典日本怪談実話

どんな伝承か

小説家遅塚麗水の家に伝わる話。旗本だった遅塚家は常陸の鹿島郡東下村に知行所を持っていた。弘化二年五月、知行所に来ていた麗水の祖父のもとへ江戸の屋敷から飛脚が来て、夫人が初産で男の子を産んだと知らせた。翌日は端午の節句で、祖父は村役人らを陣屋に招いて祝った。その夜床についていると襖が開き、洗い髪を麻で束ねた青白い顔の夫人が赤子を抱いて入ってきて、子は丈夫だが自分は産後が悪く今夜限りなので可愛がって育ててほしいと告げて消えた。急ぎ江戸へ使いを出すと、入れ違いに夫人が節句の夜に亡くなったという知らせが届いた。夫人は死の間際、知行所の方角の窓を開けさせていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

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出産死亡幽霊嬰児端午の節句

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