銀の爪をもつ大善院の大蜘蛛
どんな伝承か
京都の五条烏丸あたり、大善院の蜘蛛塚に伝わる大蜘蛛は、胴の長さが二尺八寸、目玉が大きく爪は銀色だったと『狗波利子』は記している。筆者はこうした蜘蛛退治の伝説を、土蜘蛛を鬼賊とみる思想から生まれ、室町・江戸の奇談の中で英雄や勇士が退治する話として広まったものと見ている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。