消えた導き地蔵と人魂の出る埋立田
どんな伝承か
『名古屋タイムズ』紙の報道によれば、人魂の出た問題の田は、かつて大小の池だったところを十年前に埋め立てたものであった。干拓する前には池のほとりの細い道に二体の導き地蔵があったが、埋め立てのドサクサにまぎれて一体がどこかへ姿を消してしまい、一体はいまもちゃんとあるのに片方は台座だけで主がない。恐らく地中に埋められたのだろうが、往生へ導く地蔵をおろそかにしたので往生できない地蔵が恨んで火の玉となって出るのだと語られた。十月二十四日午後五時半から地元の三つの寺が合同で地蔵供養を営むと、以来目撃例は出なくなった。
原典より
一体はいまもちゃんとあるのに、片方は台座だけで主がない。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。