竜潭寺に降った札と三日間の祭り
どんな伝承か
遠江国引佐郡井伊谷の一帯で札降りの騒ぎが続くなか、九月一日には竜潭寺にも札が降った。寺では南北神宮村の若者に頼んで三日間の祭りを営み、その費用は七十両にのぼったとされる。この地方では十月半ばごろまで札が降り続き、陣屋まで巻き込んだ騒ぎは若者を中心とする裸の乱舞を伴って激しく繰り広げられたが、一件ごとの騒ぎは三日で終わっていた。札降りに始まるこの騒ぎを、土地では「御かげ騒」と書き留めている。
原典より
九月一日は竜潭寺に降り、寺では南北神宮村の若者に頼んで三日間の祭りを行ない、その入用は七〇両であったとされる。—— ええじゃないか(高木俊輔) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか(高木俊輔)
『ええじゃないか』は、幕末維新期の民衆運動を研究してきた高木俊輔が、慶応三年から翌年にかけて広がった「お札降り」と「ええじゃないか」の乱舞を各地の史料からたどった歴史書である。三河吉田での初出から東海道、甲斐、江戸、信濃、伊勢、京都、大坂、中国、淡路、四国まで、日記や記録に残る降札と踊りを国ごとに述べる。概観と東国・西国の四章に続く終章で降札の作為者やおかげ参り、世直しとの関わりを論じ、参考文献を付す。