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物知りの助言で二度命拾いした旅人

所在地香川県さぬき市前山星越
年代昔
登場軒原さつき婆
出典ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌

どんな伝承か

昔、旅に出る男が、出発の前に物知りを訪ねて心得を聞いた。物知りは、宿で膳が出たら三尺下がって座れ、闇夜の提灯には油断するな、と告げただけで、話はこれで終わりだと言った。男はつまらない話だと不平を言いながら旅立った。その晩の宿で、言われたとおり膳から離れて座ると、膳と自分の間に槍が突き出され、命拾いをした。次の日、暗くなっても歩いていると、見知らぬ男が提灯を貸してくれた。男は物知りの言葉を思い出し、提灯を道ばたの木に吊るして先へ進んだ。すると鉄砲の音がして提灯が撃ち抜かれ、男はまた無事に旅を続けたという。

原典より

すると、ずどんという鉄砲の音がして提灯がうたれたそうな。—— ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌(武田明・高橋克夫ほか) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌(武田明・高橋克夫ほか)

『ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌』は、武田明・高橋克夫らが香川県長尾町の前山地区の暮らしを記した民俗誌である。祭りの項に続く「口承文芸」の項を昔話と伝説・世間話に分け、昔話は星越・大多和・譲りはの古老の語りを話者の名を添えて土地の言葉のまま書きとめる。伝説と世間話には中津・大多和・ゆずりはなどの天狗石や川女郎、首切れ馬、桂洞法印の化物寺の話を収め、項の末尾に執筆者の名を記す。

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