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高府街道の青具で見た雉の後ろ姿

所在地長野県大町市美麻青具
年代五月末〜六月初
登場著者
出典定本柳田国男集 第2巻

どんな伝承か

信州の高府街道は犀川から支流の土尻川の岸に沿って越える山路で、水分れの高原には青具という村があり、五月末には桃・山吹・山桜が盛りであった。そこから下ると真っ黒な火山灰の岡を開いた菜種畑が一面に広がり、やがて淡緑の唐松林となって日本アルプスの雪の峰が連なって見える。この間で雉が啼いており、細かな花崗岩の砂になった山の斜面を音も立てずに車で下ると、路上に出て遊ぶ雉が急いで林の中へ入ってゆく羽毛の鮮やかな後ろ姿を見たという。

原典より

信州の高府街道といふのは、犀川から支流の土尻川の岸に沿うて越える山路だが、水分れの高原には青具といふ村五月の月末に桃山吹山櫻が盛りであつた。—— 定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第2巻』は、柳田国男の紀行と旅の随筆を収めた著作集の一巻である。昭和三年一月の自序に続く「雪国の春」や菅江真澄の日記を読み解く文をはじめ、東北の村々の正月、火と炭、浜の暮らしの見聞、「秋風帖」「東国古道記」、昭和十五年十一月の自序を持つ「豆の葉と太陽」などの紀行を並べる。峠や古道、佐渡・五箇山・熊野などの土地を、住む人の暮らしと信仰から見ようとする文が多い。

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