オソフキ峠の狼と山犬供養塔
どんな伝承か
元和六年、白岩村の名主本原了斎の母親が、孫を連れて柏木原から芦ノ原へ菊の節供に招かれて行く途中、オソフキ峠にさしかかると、ひょっこり狼に出会った。祖母は孫だけは助けてくれ、自分は食われてもよいと狼に願ったが、狼は孫のほうから食い始めた。追いついた了斎が斬ろうとしても、狼は尻尾で土をかき立てて目隠しをし、動きが敏捷でとても斬れない。そこで刀を顔の上に立てたまま動かずにいると、狼は吸い込まれるように自ら体を引っかけて息絶えた。いまオソフキ峠には山犬供養塔が建ち、昔の仔細を伝えている。
原典より
元和六年、白岩村の名主本原了斎の母親が、柏木原から芦ノ原へ菊の節供呼ばれに孫を連れて行く途中、オソフキ峠に差しかかるや、ひょっこり狼に出会った。—— 下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説(下郷町(編)・下郷町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説(下郷町(編)・下郷町史)
『下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説』は、会津の下郷町の町史民俗編のうち、町内の伝説を集めた第二節である。鏡沼の大蛇や二岐山のダイタンボウ、狼に食われた祖母、湯野上温泉猿湯の由来、高倉宮以仁王と桜木姫・紅梅御前の落人伝説、伊達政宗の戦の悲話、小野の長者と小野観音の金の鰐口などを収める。伝説を自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分け、各話に地名や供養塔・墓・文化財の現状を書き添えている。