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馬屋の肥で埋められた段の坂の湯

所在地福島県南会津郡下郷町(段の坂)
年代伝承
登場段の坂の茶屋のおはる婆や、おきそ、段の坂の茶屋の女主人
出典下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説

どんな伝承か

昔、段の坂に温泉が湧き出ていた。大川のあたりに湯が出るのを段の坂の茶屋のおはる婆やが見つけ、倉村の世話役所に伝えたところ、湯など出ると風俗が堕落して村が貧乏するからもってのほかだとして、その湯口は馬屋の肥で埋められてしまった。その後の洪水で跡も分からなくなったが、汚物で閉じられた湯脈は臭くて出るに出られず、尾根伝いに遠く甲子温泉へ移ったのだと伝えられる。温泉に見捨てられても段の坂の茶屋は連綿と繁昌し、明治十六年に三島通庸の道路開削で土工が大勢乗り込んでいたころは、おきそ婆やが営んでいた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説(下郷町(編)・下郷町史)

『下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説』は、会津の下郷町の町史民俗編のうち、町内の伝説を集めた第二節である。鏡沼の大蛇や二岐山のダイタンボウ、狼に食われた祖母、湯野上温泉猿湯の由来、高倉宮以仁王と桜木姫・紅梅御前の落人伝説、伊達政宗の戦の悲話、小野の長者と小野観音の金の鰐口などを収める。伝説を自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分け、各話に地名や供養塔・墓・文化財の現状を書き添えている。

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