墓場から近づいて消えた提灯
どんな伝承か
語り手が十七、八歳の頃のこと。今の大村そば屋のあたりから先へ行く途中に墓場があり、夜十時頃にそこを通ると、墓場のほうから提灯が近づいてきた。こんな遅くに誰だろうと思っていると、十メートルほど手前でぽっと消えてしまい、立ち止まっても誰かが来る気配はない。頭がぞくぞくして恐ろしくなり、狐かムジナの仕業かと思ったという。子どもの頃のこのあたりは見晴らしがよく、高野村のあたりまで見通せたとも語る。
原典より
誰がこんなに遅く来るんだろうと思ったところが、10メートル位の所まで来たらポッと消えちゃったんですね。—— 久喜市史 民俗編――伝説・世間話(久喜市(編)・久喜市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
久喜市史 民俗編――伝説・世間話(久喜市(編)・久喜市史)
『久喜市史 民俗編――伝説・世間話』は、久喜市の市史の民俗編から、伝説と世間話を中心とする節を収めたものである。御陣山公園の龍や大蛇、吉羽の天神様の池のヌシといった伝説と、狐やムジナに化かされた話、天狗や河童、人魂の話、明治四十三年と昭和二十二年の大水の話などを、話者の地区と頭文字を添えて載せる。世間話は動物・妖怪・化物、社寺・小祠等、事件・事象、その他に分け、続く民俗知識等では俗信を、土地の話では久喜という地名の由来の説を記す。