幡の巻き方で風災を占う綾部八幡
どんな伝承か
佐賀県三養基郡の綾部八幡社では、毎年風の神の祭りが行われる。旧暦六月十五日に幡を掲げ、秋の彼岸にこれを下ろすが、そのとき幡がどのように巻きついているかで、その年に風の災いがあるかどうかを見定めるのだという。著者は、こうした占いの儀式は全国の至るところにあって珍しいものではないが、九州を旅した折に聞いた話なので紹介しておくと記し、同じ佐賀の千栗八幡社の粥占いと並べている。
原典より
旧暦六月十五日に幡を上げ、秋期彼岸にこれを下すに、その幡の巻き方によって風災の有無を判定することになっておる。—— 迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年))
『迷信の諸相・宗教の真相』は、井上円了が大正五年に刊行した『迷信と宗教』を、新しい題を付け現代の表記に改めて翻刻した本である。琉球・伊豆七島・壱岐対馬から北海道まで、著者が各地を巡回して見聞した犬神・人狐・河童・狐憑きなどの迷信と、怪火・天狗・幽霊・鬼門・卜筮・家相・禁厭など全国共通の迷信を挙げる。迷信の利害と原因を論じたのち宗教の真相を説き、余論に妖怪学の短編、附録に幽霊鬼神と霊魂不滅をめぐる論を収める。