初午の茶忌みと市子の口寄せ
どんな伝承か
福島県では毎年二月初午の日に茶を飲むことを嫌う。昔この日に茶を飲んだために大火があったからだという。また信夫郡の仙郷といわれる土湯村には聖徳太子を祀る堂があり、その像の腹のあたりに斑文があるという。そのため村内の人々には必ず腰より上に同じような痣があり、太子から授かったものだと喜んでいると聞いた。さらに福島県では市子の口寄せを信じる者が多く、その種類にはワカ、アガタ、シンメイの三通りがあって、やり方もそれぞれいくらか違うと伝えられている。いずれも実見はしていないが迷信であると記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。