炉で燃やすオッカドボウの木人形
どんな伝承か
関東各地でオッカドボウ、門の道神、門入道などとよばれるのは、目鼻を刻みこんだかんたんな魔よけ用の木の人形である。これは正月に母屋の入り口などに立てる男女一対の呪物であった。神奈川県足柄上郡の三保村、現在の山北町あたりでは、二〇日の風にあててはならぬといって、正月一九日の夜に炉で燃したという。門口に掲げる魔よけには、ほかにも自分の手型を貼るもの、フグを軒先に吊るすもの、猿の手首を柱に打ちつけるものなど各地にさまざまな例があり、いずれも家の入り口で災いを防ごうとする呪物である。
原典より
神奈川県足柄上郡三保村(現山北町)あたりでは、二〇日の風にあててはならぬといって、正月一九日夜に炉で燃したという。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。