むじな森に灯る祝言の提灯行列
どんな伝承か
語り手が子供のころ、むじなの祝言の話をよく聞いた。旧十月十日の晩、天屋から洲走の湯へ行く近道のそねに、昔の石切場であるむじな森という所があり、そこでむじなの祝言があるので、夜中に提灯の行列が見えるという話であった。また天屋から杉山へ行く途中のねからまきという所には墓があり、谷川が流れて実に淋しい所で、そこから提灯のような火の玉が飛ぶという話もあった。その谷川の上の高橋という所には馬の水あぶせ場があり、夜になるとおぼだきというものが出るので、子供心に気味が悪いと思っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。