事例12:二月と四月の八日には刃物を使
どんな伝承か
茨城県久慈郡大子町の伝説では、二月と四月の八日は刃物の使用が禁止されている。ただし上野宮宮本の紙屋(緑川近一氏宅)は厄神の宿泊地として特別扱いされ、この日は祭壇を設けず、外に置いてある籠などの道具を家の中へ隠すという独特の禁忌的対応をしていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))
『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に著した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と各地の採訪記録の事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、五章は書き下ろしで、章ごとに注を付す。