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馬喰が切り倒した乙茂の火柱

所在地岩手県紫波郡矢巾町矢沢乙茂
年代伝承
登場馬喰勘之助、火柱
出典農民俚譚

どんな伝承か

紫波郡煙山村大字矢沢の、今の小学校の前あたりは、以前は乙茂といってなかなか淋しい所であった。そこの供養石のあるあたりから毎夜火柱が立つので、近所の人々はたいそう気味悪がっていた。その火柱は遠くで見れば高く、近くで見れば低く見えた。村の勘之助という馬喰が或る夜そこを通りかかり、例の火柱が立っていたので、腰から馬の爪切を引き抜いて中心と思う所を切ると、ぼかりと火が消えた。翌朝村人と現場へ行くと、石塔石の陰で大きな蝦蟇が頭から真向に切り割られて死んでいた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

農民俚譚(佐々木喜善(著)・本山桂川(編)・佐々木喜善・東北民俗・1934年(昭和9年))

『農民俚譚』は、佐々木喜善が書きためた昔話や伝説を、その没後に本山桂川が編んで昭和九年に刊行した本である。陸中の和賀郡・岩手郡・胆沢郡で集めた炭焼長者や瘤取爺などの昔話に、河童・山男・山女・人柱・蛇にまつわる伝説、地蔵の話、異類に嫁ぐ女の話を記した「縁女綺聞」、紫波郡の口碑による「鳥蟲木石伝」などを収める。郡ごとの昔話には大正十三年の日付の前書きが付き、巻末に本山桂川の追想「佐佐木喜善君の遺業と其晩年」を置く。

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