竹林に虎と答えた物知りの舅
どんな伝承か
ある時、三人の婿が舅のもとに集まって話をすることになった。一番下の婿が、家の裏の竹林で毎夜騒ぐものは何かと尋ねると、舅は、竹林に虎というから虎だろうと答えた。二番目の婿が、庭の牡丹の下を毎夜荒らすものは何かと聞くと、牡丹に唐獅子だから唐獅子だろうと言った。三番目の婿が裏の畑を毎夜がさがさ歩くものを尋ねると、舅はやはり決まり文句になぞらえて答えた。婿たちは舅の物知りにすっかり感心して、それぞれ家に帰ったという。
原典より
それは竹林に虎と謂ふから、多分虎が来てさうするだらうと答へた。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。