三つの川に沿う江刺郡の昔話集
どんな伝承か
江刺郡の昔話を集めた一書のはしがきである。江刺は岩手県のやや南部に位置する郡で、十三ほどの村々を含むが、面積は県下でも小さい方だという。郡内には人首川、広瀬川、伊手川の三つの川がほぼ並行して流れ、いずれも北上川に注ぐ。人首川は郡の東端、気仙郡境の姥石峠の麓に発して郡の中央を流れ下り、その流域に岩谷堂町、羽田村、愛宕村、玉里村、米里村などが開けている。広瀬川は北端の和賀郡境の金成山の麓から流れ出し、広瀬村、梁川村、福岡村、稲瀬村がある。伊手川は南端の東磐井郡境の種山ヶ原の麓に発し、伊手村、藤里村、田原村が並ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。